2014-07-11から1日間の記事一覧

気管支に直接効かす吸入剤

また、粉末の薬の一種として、咳止め、ぜんそく、アレルギーの治療薬などがあります。これらは「吸入剤」といって、吸いこんで気管支などに直接効かすための薬剤です。 吸入剤を使う治療法を「吸入療法」と呼びます。この吸入療法は、吸入器と呼ばれるデバイ…

粉末の薬と顆粒剤はどう効果がちがうのか

カプセル剤や錠剤に比べて、ドリンク剤が速く効くのであれば、粉末の薬(散剤)もまた直接水、ぬるま湯で飲むのだから、速く吸収されて、効果も速くでることは間違いありません。 粉末の胃薬は、具悸囘に胃のなかでどう効くのでしょうか。 まず、粉末は軽い…

薬剤は飲みすぎると危険

ドリンク剤は、本当に速く効くのか 読者の皆さんは「クスリ」と呼ぶ時、何を指してそう呼んでいますか? 日常で「薬」という場合、その意味は極めて曖昧です。ある人は製品である薬剤を「クスリ」と呼び、ある人は薬剤の主成分である薬を「クスリ」と呼んで…

放出時間制御型の大腸デリバリーカプセル

食後に薬剤を飲んだ後、胃、小腸を通って大腸にいく時間は、人間では約5時間であることがわかっています。したがって、薬剤を飮んで4時間は壊れず、5時間たってから壊れて薬を放出するカプセルを作れば、大腸へ薬を届けることができるだろう、と考えまし…

大腸で壊れるカプセルの開発

このような大腸の生理学的な特徴を利用し、薬剤を飲んだ後、胃や小腸では壊れないが、大腸で初めて壊れるという「大腸内圧崩壊型の大腸デリバリーカプセル」を、私たちの研究室は世界で初めて開発しました。 どのようにして作るかというと、市販されているゼ…

大腸で効かなければならない薬

胃は消化管の入口からすぐのところにあるので、胃潰瘍などの胃の病気に対する薬は、患部に届きやすいと言えます。 しかし、病気の部位が小腸よりも下の大腸にあるような病気、たとえば潰瘍性大腸炎だったりすると、薬剤を飲んだ後、小腸では溶けず、大腸に達…

胃で効かなければならない薬

こうして、ほとんどの薬は、胃を通りすぎて小腸にいってから、吸収されることを考慮して作られています。 だったら、胃で効かなければならない、胃潰瘍薬、胃薬などはどうなっているでしょうか。 胃で効かす薬は、胃で素早ぐ溶け、胃の粘膜に作用させなけれ…

小腸に貼りつくマイクロカプセルの開発

そこで、私は、胃を素通りして小腸に達する特殊な微小カプセル(マイクロカプセル)を考案しました。それは、飲んだマイクロカプセルが小腸の細胞に貼りつく、という製品です。 このマイクロカプセルは、直径が約O・2mmの半球形をしています。外側の半球部…

胃で薬が溶けてはいけない! という薬剤もある

胃は、食べ物を消化する最初の臓器であることは、小学生でも知っています。 ですから、食べ物を食べる時、よく噛んで食べなさいと言います。それは、口のなかで食べ物を細かく砕いたほうが、胃の負担が少なくてすむ、ということなのは当然のこと。 しかし、…

右の脇腹を下にし、横になると速く効く

また、薬剤を飲んだ後、右の脇腹を下にして横になると、薬は胃から小腸へ速く運ばれ、薬が速く吸収部位へ到達します。なぜなら、胃は左から右ヘカーブしているからです。 逆に、左の脇腹を下にして横になると、薬は胃からでにくくなり、薬が吸収部位へ到達す…

空腹時と食後と、どうちがうのか

すぐに効果を期待したいのなら、薬剤は空腹時に飲みなさい 先述した通り、カプセル剤、錠剤などの飲み薬は、まず、胃に入ります。錠剤は胃で壊れ、カプセル剤は胃でカプセル剤のゼラチンが溶け、なかの薬が溶けたします。空腹時に飲んだ薬剤は、胃で溶けだし…

胃、腸、肝臓で薬はどう変化するのか

胃、腸、肝臓で薬はどう変化するのか 鎮痛薬、抗生物質のルート 日頃よく経験する具体例として、頭痛を治すための鎮痛薬、あるいは風邪をひいて細菌感染症の治療に使われる抗生物質などが、体内でどのように動いているか考えてみます。 頭痛では、薬の作用部…

薬剤を飲むと、体内でどう変化するのか

先程お話ししたように、薬剤は多量に飮めばいいというわけではありません。循環血液中の濃度によって、その効果が変わってくるからです。 では、薬は体内に入ると、どういう過程を経て、最終的に効果を発揮するのでしょうか。 一般的に、次の4段階に分けら…

薬剤は飲めば飲むほど効く?

こうした薬物動態学によって、薬が、その目的地で作用を発揮するためには、循環血液中に最低限どれくらいの薬の濃度が必要か、ということも数多くの薬の実験でわかってきました。専門的には、この値を「薬の最低治療濃度」と言います。つまり、薬という名の…

頭痛の薬がなぜ、胃のなかに入って効くのか

薬は循環血液中を走る消防車 「薬物動態学」 朝から頭痛がする。薬箱を探すと、頭痛薬が見つかった。あわてて、飲んで、しばらくしたら、頭痛がピタツとおさまった……。 こんな経験をされた人も、多いことと思います。しかし、その後に、ふと素朴な疑問がわい…