右の脇腹を下にし、横になると速く効く

 また、薬剤を飲んだ後、右の脇腹を下にして横になると、薬は胃から小腸へ速く運ばれ、薬が速く吸収部位へ到達します。なぜなら、胃は左から右ヘカーブしているからです。

 逆に、左の脇腹を下にして横になると、薬は胃からでにくくなり、薬が吸収部位へ到達する時間が遅くなって、なかなか効いてくれません。

 強度の胃下垂の人は、食後の腹のもたれで日々悩んでいます。これは、食べた物が胃から小腸へなかなかでていかないからです。このような人は、飲んだ薬剤が長く胃にとどまりがちになります。薬剤を飲んだ後、右腹を下にして、30分ほど横になることをお勧めします。お釈迦様は食後、右の脇腹を下にして昼寝をしておられたそうです。さすがです。理にかなっています。

 ただし、空腹時に薬剤を飲む場合は、注意が必要です。

 それは、薬の副作用で胃が荒らされる心配があるからです。空腹時に薬剤を飲むと、胃で薬が錠剤、カプセル剤から溶けたして急に高濃度になり、胃の粘膜に接触します。このことによって、気分が悪くなったり、吐き気などを感じることがあります。

 この胃への副作用は、非常に個人差が大きく、まったく何も感じない人もいれば、いつまでも長く不快感を感じる人もいます。

 薬の世界で、「欧米人にはでないが、日本人には胃、腸への副作用がでやすい」とよく言われています。これは、胃、腸の構造がかなり異なっていることによります。日本人の胃壁の厚さをスリッパとすると、欧米人は靴ぐらい厚い、などといった冗談もあるぐらいです。

 空腹時の投与に自分が適しているかどうかは、医師、薬剤師との相談の上で決めていただかなければなりません。