2015-01-22から1日間の記事一覧

尖圭コンジローム

I 臨床的特徴 1.症状 尖圭コンジロームは無痛性の性病性の疣贅であり、小さなものは直径数mmから大きなものは大豆大までさまざまで、乳頭状あるいは鶏冠状の形をとり、先端に尖形の細かい突起が多数見られる。単発性にあるいはしばしば多発性に発症し、…

そけいリンパ肉芽腫症

I 臨床的特徴 1.症状 性交によるリンパ管およびリンパ節のクラミジア感染症で、症状はいろいろである。すなわち、潰瘍、性器の象皮病またはホモ性交の患者では特に直腸狭窄、直腸瘻などを生ずる。本病は、男子では、陰茎冠状溝における通常単発の小さい無…

軟性下疳

I 臨床的特徴 1.症状 感染局所の壊死性潰瘍を特徴とする急性の局所性感染症。菌の侵入後3~5日で局所の発赤、腫脹、潰瘍を形成し、激しい圧痛がある。付近のリンパ節やリンパ管の炎症を伴う。発生場所は通常性器(主として外陰部)であるが、ときに肛門…

ライター症候群

Reiterが1916年にドイツ陸軍で発見、記載した症候群。非淋菌性非特異性尿道炎に関節炎と結膜炎、極めてまれに心外膜炎、心筋炎を伴うのを特徴とする。潜伏期は10日から30日で、好んで若年男子を侵し、症状は弛張遷延し、しばしば軽快、増悪を繰り返し、数か…

 非淋菌性尿道炎

1 臨床的特徴 1.症状 淋菌以外の病原微生物で起こる尿道炎の総称。男子では性交により感染する。症状は,男子においては淋病と類似するかやや緩やかであり,いろいろな程度の膿尿ないし混濁尿,尿道の掻痒感,排尿異常,排尿時灼熱感などがある。経過は間…

性器クラミジア感染症

I 臨床的特徴 1.症状 性器感染症にはいろいろあるが,中でも尿道炎は非淋菌性尿道炎の30~60%を占め,また男子淋菌性尿道炎の4~45%に淋菌と同時に,もしくは淋菌消失後にも検出され, post-gonococcal urethritisの中でも最も頻度の高いものといわれる…

淋病

I 臨床的特徴 1.症状 性交に起因する伝染性疾患であって、円柱状および移行上皮細胞に親和性を持つ淋菌によって起こる。したがって、本病はこれらの細胞による組織の部位に限られており、症状、経過および診断の難易に男女差ができる。男では、感染後2~…

梅毒の予防対策

A 方針 性病予防法により規制されている。 1.衛生教育 学校教育、社会教育を通して性病予防を含む性教育が基本的に重要である。性病の症状、子孫への影響、伝播のしかた、治療の方法、コンドームの用い方や洗浄など。個人予防の方法について教育する。罹…

ヤコブ・クロイツフェルト病

I 臨床的特徴 1.症状 初期には、倦怠感、物忘れ、抑うつ、めまい感、軽度の歩行障害や視覚障害などで徐々に発症する。その後は痴呆症状が亜急性に進行していく。また全身各所にミオクローヌスが見られ、これには周期的に自発性に出現するものと各種の刺激…

クル

1.症状 病初期には小脳性運動失調症状が前景に立つ。すなわち、不安定歩行で初発し、企図振せんや楫音障害も出現してくる。 Kuruとはフォア語で[震える]という意味である。その後、数か月で患者は寝たきりとなる。そして食物摂取もできず、尿便失禁の状…

進行性多巣性白質脳症

I 臨床的特徴 1.症状 免疫抑制を引き起こす基礎疾患、すなわち白血病、ホジキン病、結核、サルコイドーシス、腎移植後の免疫抑制剤の投与など、また最近ではAIDSの患者に発症することが多い。初発症状はボンヤリしている、健忘、痴呆、人格変化などの精神…

結核性髄膜炎

結核菌の血行性散布による脳内病巣が髄膜に波及したもので脳底部に著しい。 3歳以下のBCG未接種児に好発するが既接種者でも否定できず、どの年齢層でも発症し得る。初感染後6か月以内に多い。 臨床経過は3期に分かれる。 第1期(前駆期、非特異症状)…

 肺炎球菌性髄膜炎

肺炎球菌による髄膜炎は、どの年齢においても罹患率、致命率が高く、新生児、乳児を除くと細菌性髄膜炎の首位にある。発病は急激で菌血症を伴って全身性感染症の一分症としてあるいは中耳炎など隣接部位の感染巣から波及して起こる。しかし、本菌による特異…