Q 私は生まれつき虚弱体質で、いつも薬剤の世話になっています。素朴な疑問ですが、体の小さい人は、ふつうの人と同量でよいのでしょうか。ちなみに、私の身長は150センチ、40キロです。(28歳 公務員 鹿児島)

Q 私は生まれつき虚弱体質で、いつも薬剤の世話になっています。素朴な疑問ですが、体の小さい人は、ふつうの人と同量でよいのでしょうか。ちなみに、私の身長は150センチ、40キロです。(28歳 公務員 鹿児島)

 前にも説明しましたように、体の大きい人は薬の分布容積が大きく、体の小さい人は小さく

なっています。

 すなわち、同量の薬剤を飲んだ時、体の小さい人は循環血液中の薬の濃度が高くなりやすいのです。いっぽう、体の大きい人は、循環血液中の薬の濃度が低くなってしまいます。そこで医師は患者さんの体の大きさを考慮して、薬剤の投与量を変える方法をとっています。

 一つは、体重1㎏当たりの薬の量、すなわち、陬/㎏という単位で示そうというものです。それから、もう一つは、体表面積で薬剤の投与量を考えようというものです。それは陬/dという単位になります。

 抗ガン薬のように、副作用と有効性との危険度の幅が狭い薬は、体表面積の大きさに応じて薬剤の投与量を決めています。

 すなわち、フルオロウラシル(商品名5-FUなど)、シスプラチン(商品名ランダ、ブリプラチンなど)などの抗ガン薬は、体表面積当たりの投与量で処方されます。

 しかし、一般的な薬剤は、薬の副作用がでる濃度と治療濃度との間に十分な開きがあるので細かく設定していないのが現状です。

 一般の薬剤の投与量は、だいたい体重が一朗~60㎏の人を想定しています。しかし、この本を読まれた人で、とりわけ体の大きな人、体の小さな人は、薬剤を多めか、少なめにしたほうがよいということを覚えておいてください。