目薬の汚染に気をつけて

 

 目の粘膜から薬を吸収させ、全身的に作用させるタイプの薬剤の研究が行われています。しかし、まだ製品にはなっていません。現在では、目薬は局所的に目に効かそうという目的で使われています。

 目薬には2種類あります。すなわち「点眼液」と「眼軟膏」です。

 点眼液には、眼精疲労や結膜炎などの治療薬、抗アレルギー薬などがあります。

 あらかじめ、点眼液の開口部を開けてある製品もあれば、使用時に栓を強く閉めてキャップ裏についている針で開口させるという製品もあります。

 特に注意してもらいたいのは、結膜炎用の目薬です。結膜炎は、細菌やウイルスなどに感染して起こる病気です。したがって、点眼液を目にさす時、まつ毛やまぶたに接触するような点眼の仕方をすると、感染症の原因となっている細菌で点眼液が汚染されてしまいます。

 そこで、神経質な人のなかには、目から20~30mも離して点眼する人もいるようです。

 しかしこのように、目から遠く離して点眼すると、滴下された液が眼球の表面にぶつかり、その衝撃で薬が目の周囲に飛び散ります。通常、1回の点眼で約40~50μを点眼できるように、目薬の容器は作られています。

 高い所から滴下すると、目に点眼したにもかかわらず、半分以上の薬が顔の表面に飛び散ってしまいます。目の周りに抗生物質などをふりかけ、ニキビの治療や皮膚に化粧をしていることになりかねません。眼球に近づけて、かつ、まつ毛に接触しない距離から点眼するのがベストだと思います。

 点眼後、目薬をできるだけ目からこぼさないようにするのがコツです。点眼後、静かに1~2分の間じっと目を閉じ、薬を眼球や粘膜にできるだけ染みこませることが大切です。

 あらかじめ開口されている点眼液は、調節はききません。

 しかし、眼科医院や薬局で受け取った時は開口されておらず、使用時に初めて栓をきつく閉めて開口する点眼液は、穴の大きさを自分で調節することができます。キャップの裏側の頂部に針がついているので、穴をあける時、できるだけ最小限の回転で小さく開口すれば、1回の点眼の量を少なくできます。