ぜんそくの貼り薬はよく効く

 

 2000年に入り、胸に貼るぜんそくの貼ひ薬が北陸製薬から発売されました。

 薬の主な成分は塩酸ツロブテロール(商品名ホクナリン)です。この薬は、気管支の周りの筋肉を拡げる働きがあります。

 今までは噴霧式の吸入剤と飲み薬とがありました。吸入剤は、発作を鎮めるのにはよく効きますが、へたをすると使いすぎて危険です。

 飲み薬は、効き目が8~10時間しかもちませんが、貼り薬の新製品は、24時間、薬の効果が持続します。ぜんそくの予防にこれから大いに使われるでしょう。ただし、副作用は少しあります。手のふるえ、動悸などです。


舌下錠より長持ちする狭心症の貼り薬

 現在、もっとも多く使われているのは、ニトログリセリン、硝酸イソソルビドなどの狭心症の治療と発作予防を目的とする貼り薬(商品名フランドル、アンタップなど)です。

 狭心症の発作時の治療に、ニトログリセリン舌下錠(商品名ニトログリセリン錠、ニトロペン)が古くから使われています。

 しかし、ニトログリセリン舌下錠の効果は、1時間ぐらいしかもちません。それに比べ、ニトログリセリンの貼り薬だと、1日以上の効果があります。24時間毎に1日1回、胸、腹、太股などの柔らかい部位に貼って使用します。

 貼甘楽の場合、薬が貼り薬から抜けでて、皮膚を通って循環血液中に入ります。そして、心臓を取り巻く血管(冠血管)を拡張し、狭心症の発作を予防します。したがって、直接、皮膚から心臓に作用するわけではありません。

 しかし、不思議なことに、狭心症の人は、この貼り薬を左胸に貼りたがります。つまり、心臓の上に貼ると、安心して生活ができる、という人が圧倒的に多いのです。心臓の上に貼っても、腹に貼っても、体のどこに貼っても、理論的には、効果は同じです。

 「狭心症の予防薬を心臓の上に貼っておくと、直接、心臓に効いて安心だ」という、人間の薬に対する心理的な一面が、よく現れている例です。