更年期障害にも貼り薬

 

 女性の更年期障害の治療にも、貼り薬が使われはじめました。女性が50歳ぐらいになると、子宮の機能が低下し、女性ホルモンの分泌量が減ります。そうなると、毎日の生活で、急に汗をかいたり、急に怒りっぽくなったり、イライラしたり、肩こりがひどくなったりという症状が起こってきます。

 これは、正確には、老化現象なのです。病気としてみると「更年期障害」という名前がついています。この更年期障害は、体内で女性ホルモンのエストラジオールの分泌が低下するために起こる病気です。エストラジオールを体外から体内へ補充してやることで、更年期障害の病状を抑えようとするための貼り薬です。

 エストラジオールを入れた貼り薬(商品名エストラダームTTS)がノバルティス社より販売されています。この貼り薬を皮膚に貼ると、2日間にわたり、エストラジオールが皮膚から徐々に吸収されます。子宮からのエストラジオールの分泌が急に止まった時でも、更年期障害によるいろいろな症状を抑えることができる、という非常に優れものです。

 貼り薬から吸収されたエストラジオールは、直接、子宮に作用して効果を発揮するのではありません。循環血液中に入って効くのです。しかし、女性は、子宮の近くの下腹部に貼るとよく効くような気がするといって、下腹部に貼っている人が多いようです。