ゼラチンでアレルギー?

 ワクチンを接種した後、子供のなかには皮膚にブツブツなどの発疹がでる、という副作用報告がありました。

 これは、その後の研究により、ワクチンに含まれているゼラチンによるアレルギーも1因になっているのではないかと言われています。注射薬の場合は、動物由来のゼラチンが直接体内に入るので、アレルギーになる恐れがあるのです。

 しかし、カプセル剤は、飲んだ後、胃酸で殺菌されたり、消化酵素によって加水分解されるので、よほど大量にカプセル剤を飲まない限り、アレルギーの心配はいらないでしょう。ただし、胃潰瘍や十二指腸潰瘍で胃や腸に大きな傷がある場合は、傷口から吸収される可能性もあるので、なんとも言えません。

 しかし、高純度に精製して、アレルギーの原因となる蛋白質などを取り除いたゼラチンが将来販売されるようになりますと、アレルギーの心配な人も、いずれは安心していただけると思います。

*ポリマーの利用

 近頃では、ゼラチン以外に多糖の一種であるヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMCというポリマー(高分子化合物)のカプセルが日本のシオノギクオリカフス社で作られています。このポリマーは、木材の成分を原料として作った合成品で、ゼラチンのカプセルのように、絶えず水分が存在しないといけないという制約はありません。もちろん、アレルギーや狂牛病の心配もありません。

*カプセルの色は、なぜ無色?

 日本で販売されているカプセル剤の色は、無色に近くなっています。

 着色剤の副作用への懸念からだと思います。しかし、欧米のカプセルには、しっかりと色をつけた製品があります。

 これらのカプセルは、その色に意味を持たせてあります。すなわち、気持ちを抑える鎮静作用などを期待する向精抑薬はブルー系の色、逆に、強構薬のようにイザ、体力増強! という場合は、濃い赤色をつけた製品となっています。