錠剤の大きさのちがい

 錠剤には、いろいろな大きさがあります。

 しかし、飲みやすさという点では、外径が素錠では8mg、糖衣錠では9mgがよいと言われています。これより大きくても、小さくても飲みにくいという調査結果があります。

 この調査では、糖衣錠は素錠よりも1mgほど大きくても飲みやすい、という結果がでています。これは、素錠の外側に糖衣をかけることで、丸みがついたため、口のなかで滑らかになり、喉から食道にかけて通りやすくなったからです。

 これから日本の社会は、高齢化社会に向かっていくので、お年寄りにとって飲みやすい薬剤が必要になります。そこで、実際にお年寄りにボランティアになっていただき、どのような薬剤が飲みやすいかという実態調査を行った結果、「糖衣錠は表面がつるつるしていて飲みやすい」という意見が多く得られました。

 飲みやすさに次いで、お年寄りにとって大事なことは「つまみやすさ」です。

 おもしろい調査があります。ボランティアのお年寄りの指先の不自由さ加減、あるいは生き生きとした活動の要因とは関係なく、素錠では8mg以上、糖衣錠では9mg以上の大きさがつまみやすいという結果でした。

 したがって、お年寄りにはつまみやすく、飲みやすい大きさである8mg以上の大きさの錠剤がベストだということになります。