合成マリファナ『スパイス』『K2』

ますます人気の高まる偽大麻『Spice』や『K2』の有害効果は科学者を長年悩ませてきましたが、今では何が毒性をもたらすのかがわかり始めています。ACSジャーナル『Analytical Chemistry』に掲載された研究論文では、同薬物を摂取して緊急治療室( emergency room)に搬送される多くの若者を診断および治療する上で役立つ方法を説明しています。

Jeffery Moran らは、『天然香料(natural incense)』『ポプリ(potpourri)』『スパイス』『K2』として出回っている合成大麻が深刻な健康被害をもたらし、高校生9人に1人が使用していると指摘しています。この薬物は米国や欧州でみられ、本物のマリファナに次いで最も人気のある薬物です。この物質はいわゆる「ハイな状態」をもたらしますが、発作や幻覚(hallucination)、重度の腎障害、精神病的行動(psychotic behavior )、心臓発作など多くの危険な副作用を引き起こします。化学者は尿検査で偽大麻使用を識別するための方法を模索しています。

マリファナ代用品の効果をより深く理解するため、Moranの研究チームは新しい方法を開発し、体内におけるSpiceとK2の動態を研究する上で利用しています。陽性反応のでた15人の尿サンプルは、体内における偽大麻の動態が個人間で非常に異なることを示しました。これにより、なぜ特定の人々で重度の有害作用が生じるのかが明らかになるかもしれません。