Clinolipid


静脈内栄養補給剤(intravenous feeding)または非経口栄養液(parenteral nutrition)の『Clinolipid』がFDA承認されました。同薬は飲んだり食べたりすることのできない成人患者に対して、カロリー源と必須脂肪酸(essential fatty acids)を供給するものです。Clinolipidは薬剤不足を解消するために優先審査が認められていました。

薬剤不足を防止したり解消したりすることはFDAにとって最優先事項です。新製剤を生産したり既存製剤の生産量を増やしたりするための申請を認可することは、不足問題に対処する上でFDAが採用する効果的な手段の一つです。

Clinolipidは精製オリーブオイルと精製大豆油(soybean oil)を含有する脂肪乳剤(lipid emulsion )です。Clinolipidに含まれる脂肪酸は、非経口栄養液を投与されている患者にとって重要なエネルギー源となります。Clinolipid中のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の比率が、他の脂肪乳剤のものよりも臨床アウトカムを改善させるということは明らかになっていません。

FDAは注入可能な脂肪乳剤の供給不足を懸念しています。本日の承認はこの不足問題を解決するためのものであり、これにより患者はこの非経口栄養液に手が届くことになります。

Clinolipidは他の脂肪乳剤と同様に成人向けのものであり、また、肝臓や腎臓に障害をもつ患者に使用する際には注意が必要です。また、卵や大豆プロテインに過敏反応( hypersensitivity )を示す患者や、重度の脂肪代謝異常(脂質異常症;hyperlipidemia)を呈する患者には使用できません。

Clinolipidの安全性と有効性は、Clinolipidと大豆油性脂肪乳剤を比較した臨床試験で評価されました。Clinolipidは成人にとって効果的なエネルギー源です。試験中に最も多く発生した副作用は、感染症、吐き気、嘔吐、血中の過度の脂肪酸、高血糖(high blood sugar)、血中タンパク質濃度の低下、肝機能障害などでした。

Clinolipidは早産児に使用できません。警告欄には早産児の静脈に脂肪乳剤を注入すると死亡のリスクがあることが明記されています。

また、Clinolipid中の必須脂肪産量が子供の栄養ニーズに合うかどうかが不明であることから、小児患者(pediatric patients )への使用も禁忌です。