油性の塗り薬、水性の塗り薬

 

 では、塗り薬はどうでしょうか。

 塗り薬は、皮膚科の治療などでよく使われている薬剤です。皮膚の炎症や本虫などの感染症を治療する場合、炎症を抑えたり、殺菌する目的で使われています。

 薬剤と言っても、その性質は千差万別です。

 水にまったぐ溶けない薬、ものすごく水に溶けやすい薬までいろいろあります。水に溶けにくい薬は、油には溶けやすくなっています。

 だから、油性の基剤を使って塗り薬が作られています。

 ご存じのように、油はべとつきます。塗った後の感触がよくない、という欠点があります。この欠点を解決するため、乳化液(エマルジョン)の塗り薬が開発されました。

 これは、薬を溶かしこんだ油を1mm以下の油の粒にし、水の中に分散させたものです。わかりやすく言えば、牛乳のようなものです。本質は油です。しかし、完全な油の塗り薬とちがって、塗った時に薬が拡がりやすく、塗った後すぐに水分が蒸発するので、さわやかな塗り心地が得られます。

 いっぽう、水によぐ溶ける薬は、単に水に溶かした塗り薬、あるいはさらにさわやかな感じを与えるため、アルコールを添加した塗り薬が販売されています。

 塗リ薬が効くのは、疾患が比較的皮膚の表面にある場合です。

 皮膚から少し深い部位に疾患がある場合は、塗り薬以外に飲み薬、注射薬もあわせて使って、全身的な治療を行ったほうが、疾患が早く治ります。

◆貼り薬は、貼る度に場所を変えることが肝心。

◆塗り薬が効くのは、疾患が皮膚の表面近くにある場合。