新薬を最初に飲むのは、誰?

 

Q よく「苦い薬のほうが効き目がある」と言われますが、良薬は、本当に苦いのでしょうか。

 これは人間の舌に、味覚の受容体という物質があるからです。甘い、辛い、苦いということがわかるのは、甘い、辛い、苦いという性質を持った化学物質が、舌に存在する味覚の受容体に結合し、信号が脳に伝わることによって感じます。

 薬も化学物質です。薬が効果をだすためには、作用部位の受容体に薬が結合しなければなりません。薬の受容体と味覚の受容体は同じ物質ではありません。しかし、似たような物質であることに変わりありません。

 さて、質問の答えですが、苦い薬剤であるから、よく効くということはありません。苦いということは、薬が溶けて受容体に結合できる最低限の性質を持っている、ということを意味していることになります。

 苦みに関して、漢方薬が苦いのはどうしてか? という質問もよく受けます。

 漢方薬は、植物や動物などの天然の素材から有効成分を抽出したものです。

 また、漢方薬は、いくつかの生薬を混ぜ合わせた混合物です。したがって、植物や動物の成分が数多く含まれています。植物には、苦み成分が多く含まれています。このような苦み成分が漢方薬の苦みの原因の一つです。