EYLEA(aflibercept注射液)

EYLEA(aflibercept注射液)は、組み換え融合タンパク質( recombinant fusion protein)であり、ヒト IgG1のFc部位に結合したVEGF受容体1および2細胞外ドメインから成ります。硝子体腔内投与(硝子体腔内投与)の際には血液と同じ浸透圧に調整されます。VEGF-Aと胎盤増殖因子(placental growth factor)が結合する可溶性デコイ受容体(soluble decoy receptor)として働くことから、これら同族のVEGF受容体の活性化を阻害します。

EYLEA(科学文献でVEGF Trap-Eyeとして知られるaflibercept注射液)が、糖尿病性黄斑浮腫(diabetic macular oedema)の治療を行った2件の第Ⅲ相臨床試験で主要エンドポイントに達しました。ちなみにこの病気は糖尿病による失明の第一原因です。フェーズⅢ臨床試験『VIVID-DME』および『VISTA-DME』の結果は、第13回EURETINA Congress で提示されました。

2mgのEYLEAを一月に1回、または2ヶ月に1回(最初の注射から5ヵ月後)投与した際には、レーザー光凝固術(laser photocoagulation)に比べて最良矯正視力(best-corrected visual acuity)が著しく改善しました。もちろん、これによりプライマリー・エンドポイントに到達しています。両試験の被験者群で同様の改善がみられました。

糖尿病性黄斑浮腫(DMO)は、視力を維持ながら効率的に治療しなければならない疾患です。患者にとって選択しやすい治療法を確立することが求められていることから、Eyleaの臨床試験結果はたいへん先行きの明るいものです。

DMOの原因は糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)にあります。臨床的に有意なDMOは、黄斑(macula)の下にある血管が損傷し、そこから液が漏出すると生じます。黄斑とは、中心視を担う網膜部位のことです。黄斑の下に液がくると失明してしまいます。

VIVID-DMEとVISTA-DMEの試験デザインは互いにほぼ同じものです。 両方とも無作為二重盲検の実対照臨床試験であり、DMO患者を対象にEYLEAの安全性と有効性を評価しました。被験者に関しても、1ヵ月に1回または2ヶ月に1回のEYLEA 2mg投与群、あるいはレーザー光凝固術群に割り付けました。