Butrans(オピオイド鎮痛薬)の副作用


ブプレノルフィン(buprenorphine)は他のオピオイド鎮痛剤と同様、合法または違法に関係なく中毒リスクがあります。ですので、処方する前に誤用や乱用、中毒などのサインが患者にないかを定期的にチェックすることが肝要です。Butransを噛んだり、飲み込んだり、または鼻から吸う、あるいは経皮システムから抽出したbuprenorphineを注射したりすると、オピオイドの供給がおかしくなり、恐ろしい事態、つまり過剰摂取や死亡を引き起こすことがあります。変な使い方は絶対にしちゃだめです。
致死性の呼吸障害(Respiratory depression)
呼吸抑制はButransの主なリスクであり、呼吸停止や死亡を引き起こすことがあります。重度かつ致死性の呼吸障害は、Butransを使用していればいつでも発生する可能性がありますが、とくに用量を増加した場合にそのリスクがひじょーに高まります。なので、呼吸障害を呈した患者を注意深くモニターすることが重要です。適切な用量にすることが不可欠です。他のオピオイド製剤からButransへ変更する際には、最初の投与で過剰投与してしまうことがあるので、注意が必要です。
アクシデントによるButransへの暴露(とくに子供や高齢者に対して)は、過剰摂取をもたらし、最悪の場合、生命を脅かしてしまいます。
高齢者や悪液質の患者、衰弱した患者では、薬物動態が変化することから、呼吸障害が起こりやすいです。そのような患者にButransと他の薬剤を併用投与する際には、体の状態を注意深く観察する必要があります。
深刻な慢性閉塞性肺疾患(obstructive pulmonary disease)または肺性心(cor pulmonale)を呈している患者や、呼吸予備力の低下(decreased respiratory reserve)、低酸素症(hypoxia)、高炭酸症( hypercapnia)、呼吸障害の既往症がみられる患者に対しても、注意深くモニターすることが肝心です。適量のButransであっても無呼吸(apnea)を引き起こすことがあります。
QT延長症候群(Long QT Syndrome)患者や、その家族歴をもつ患者、クラスIAまたはクラスⅢの抗不整脈薬(antiarrhythmic medication)を服用している患者には禁忌です。Butransはたいへん便利なものですが、使用方法を間違えればたいへんな事態を招いてしまうので、取り扱いには細心の注意が必要です。