Perjeta(pertuzumab)

FDAが早期乳がん(early stage breast cancer)に用いる初の薬剤を承認しました。Perjeta(pertuzumab)は手術前の患者に対する治療の一環として使用されることになります。

Perjetaは進行性または末期(転移性)[advanced or late-stage (metastatic)]のHER2陽性乳がんの治療薬として、2012年に欧州連合(European Union)により承認されました。

HER2陽性癌は、がん細胞の増殖に寄与するHER2タンパク質を蓄積します。

乳がんは、アメリカ人女性で2番目に多い癌関連の死因です。

国立がん研究所( National Cancer Institute)の報告によれば、約23234人の女性が乳がんと診断され、39620人が同疾患により死亡しています。

乳がんの約20%はHER2タンパク質の蓄積量を増加させます。

ロンドンの Institute of Cancer Research と Dundee 大学の新たな研究結果は、乳がん研究における大きな空白を明らかにし、早急な対策の必要性を強調するものです。

Roche社のGlobal Product Developmentの医務部長(chief medical officer )であるHal Barron博士は次のように述べています。
「新たな承認プロセスにより、HER2陽性初期乳がん患者に対するPerjetaの使用認可が、従来の場合よりも数年早く取れました。我々はFDAと協力して新たな領域を形作ったのです。有望な薬剤を患者のもとへ届けるために、世界中の医療機関と連携していくつもりです。今は承認を取得できたことに素直に喜びたいです」

FDAの審査期間短縮プログラムにより、臨床確認試験に参加している患者に対して、重篤な疾患や生命を脅かす病気に対する有望な薬剤を提供できるようになりました。

Perjetaの処方対象者は、HER2陽性、局所的進行性、慢性または早期の乳がん(直径2cm以上の腫瘍、または陽性のリンパ節を呈する腫瘍)を呈し、がんの再発や転移、または死亡のリスク下にある患者です。
治療計画に基づいて、手術前にtrastuzumabおよび他の化学物質とともに併用投与されます。手術後には化学療法を行うことがあります。

手術が終了した後、患者は1年間にわたってtrastuzumab投与を受け続けなければなりません。

手術は依然として必要とされていますが、場合によっては手術前の治療によって、乳腺切除(mastectomy)をせずに腫瘍摘出手術(lumpectomy)のみで大丈夫なこともあるそうです。すごい進歩ですね。