Adempas(riociguat)

肺高血圧症(pulmonary hypertension)の治療薬Adempas(riociguat)がFDA承認されました。

肺高血圧症は肺動脈の異常な高血圧によって生じるもので、これにより心臓の右側に対する負荷が大きくなります。また、慢性、進行性、および消耗性の疾患であり、死を招いたり肺移植が必要になったりします。

Ademasは可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬(soluble guanylate cyclase stimulators )という薬剤クラスに属しており、血流量を増加して血圧を下げるための動脈弛緩薬です。慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension )を適応症とし、患者の運動能力を改善させます。また、遺伝性または結合組織疾患の肺動脈高血圧(pulmonary arterial hypertension )の患者に対しても、運動能力を改善させたり、症状の悪化を遅らせたりするために使用されます。

FDAはAdempasに対して優先審査を認めたため、これにより審査期間が短縮されました。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対するAdempasの安全性と有効性は、被験者261名を対象とした臨床試験により立証されました。同試験では患者を、1日3回投与のAdemasを1回分2.5mgまで徐々に増やす群と、1日3回のプラセボ投与群に無作為に割り付けました。また、同試験は6分間の歩行距離の変化を測定できるようデザインされました。16週間の治療後、Adempas投与群の6分間歩行距離はプラセボ群のものよりも平均36メートル改善しました。

Adempasの主な副作用は、頭痛、めまい、消化不良、末梢浮腫(peripheral edema)、悪心、下痢、嘔吐です。

AdempasはBayer HealthCare Pharmaceuticals 社によって販売されます。