接合菌症

接合菌門Zygomycotaのムコール目Mucoralesに属する真菌、Mucorなどの諸菌種による真菌症。これらの真菌は糖尿病、白血病、リンパ腫、広範の熱傷、免疫抑制処置などいわゆる易感染性宿主compromised hostに感染し、血管壁内に侵入増殖して血栓や梗塞を引き起こすとされる。また、肺、消化器系、副鼻腔などの組織に虚血性の壊死を引き起こす。世界中どこにもあり、急増の傾向にある。これらの菌は食物からもよく見いだされるので、混在する雑菌でないことを示さなければならない。自然界に一般的に存在し、これら真菌を含むすべてのものが感染源となる。治療には主としてアンホテリシンBを用いるが、壊死組織の切除が必要なこともあり、基礎疾患の治療も当然必要である。