Northera(ドロキシドパ)

Chelsea Therapeutics Internationalが本日、Northera(droxidopa;ドロキシドパ)新薬申請(NDA)再提出の認可を受けたことを発表しました。再チャンス到来というわけです。同薬は、ノルエピネフリン(norepinephrine)の経口合成前駆体であり、神経原性起立性低血圧(neurogenic orthostatic hypotension:NOH)の治療に用いられます。FDAから忠告を受けた特定の技術的不備を解決するために、再提出では新たな情報を追加することになります。FDA側は今回の再提出が、2012年3月28日の審査完了通知(Complete Response Letter)に対するものだと判断し、処方薬ユーザー・フィー法(Prescription Drug User Fee Act)適用を決定しました。
Northeraはすでにオーファンドラッグとして認可され、ファストトラック(優先承認制度)を受けています。ファストトラックとは、重篤または生命にかかわる状態に対処する製品の審査を促進させるための制度です。もちろん、これを適用してもらうためにはお金をたんまり払う必要があります。
NOHについて
NOHは、ノルエピネフリンの放出不足を原因とする慢性神経障害であり、主にパーキンソン病、多系統萎縮症(multiple system atrophy)、および純粋自律神経不全症(pure autonomic failure)の患者で発症する病気です。その症状は目まい、立ちくらみ、視力障害、倦怠感、集中力低下、失神などであるため、日常の生活が著しく制限されることになります。
Northeraについて
Northera (droxidopa)はChelsea Therapeuticsが最も力を入れる治験薬の一つであり、現在はNOH治療薬として第Ⅲ相試験段階にあります。同薬は、脱カルボキシル化(decarboxylation)を経てノルエピネフリン(NE)に直接変換される合成カテコールアミン(synthetic catecholamine)であり、神経系のNE濃度増加をもたらします。