drisapersen

GlaxoSmithKline(GSK)とProsensaは20日、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne Muscular Dystrophy;DMD)患者に対するアンチセンス・オリゴヌクレオチド(antisense oligonucleotide)の治験薬『drisapersen』のフェーズⅢ臨床試験において、6分間歩行距離テスト(6 Minute Walking Distance;6MWD)でプラセボと比較して統計的に有意な改善(主要エンドポイント)が確認されなかったことを発表しました。

この二重盲検プラセボ対照試験(DMD114044)では全186名の男の子が、48週にわたって6mg/kg/週のdrisapersen*1またはプラセボ(N=61)の皮下注射(subcutaneous injection)を受けました。両群間における6MWDの差異は統計的に有意ではありませんでした。また、運動機能(motor function)の副次的評価(secondary assessment)では治療差(treatment difference)がありませんでした(10m歩行テスト、階段を4段上るテスト、North Star Ambulatory Assessment)。最も多い有害事象は注入部位反応(injection site reaction)と腎障害(無症候性タンパク尿;subclinical proteinuria)であり、血小板減少症(thrombocytopenia)は確認されませんでした。

この結果はDMDの男の子とその家族を失望させるものです。主要エンドポイントに達しなかったことは非常に残念ですが、今後も両社が協力関係を維持してプログラムの継続に力を入れてくれればと思います。今はまず、対象領域の専門家とともに開発プログラムのアウトカムを評価することが最重要課題です。それによってDrisapersenは次のステップへ進めるかもしれません。それが結果的にはDMDの男の子を助けることへつながります。

試験結果は学会で発表されることになっており、さらに論文審査のある科学専門誌(scientific peer-reviewed journal)にも提出される予定です。

ちなみに、Drisapersenの販売を認可している国はありません。

 

*1:N=125