EYLEA

Bayer HealthCareは、EYLEA(科学論文でVEGF Trap-Eyeと紹介されている注射用のaflibercept液剤)が<strong>網膜中心静脈閉塞症</strong>(central retinal vein occlusion:CRVO)に続発する<strong>黄斑浮腫</strong>(macular oedema)を原因とする視覚障害の治療薬として欧州委員会(European Commission)に認可されたことを発表しました。今回の認可を受けて、欧州におけるEYLEAの適応症は2つになりました。最初の適応症は2012年12月に認められた滲出型黄斑変性です。
英国のNICE(National Institute for Health and Care Excellence)という医療技術評価機関によれば、年間100,000人のうち40歳以上の17人が、黄斑浮腫の治療を受けることになるとのこと。CRVOは一般的に年齢とともに増加するため、実際にCRVO患者の90%以上が50歳を超えています。女性よりも男性で発症しやすい傾向がありますが、人種間で差はありません。CRVO関連の失明は、生活の質に対して非常に大きな影響を及ぼします。患者は日常生活に困難を感じるようになり、自信を失い、ますます依存的になってしまうことがあります。
網膜静脈閉塞(Retinal Vein Occlusion:RVO)は、網膜の血管壁から血液を運ぶ網膜静脈の閉塞によって生じます。また、<strong>糖尿病性網膜症</strong>(diabetic retinopathy)で2番目に多い網膜血管障害であり、失明の重要な原因であると考えられています。RVOは血管閉塞の位置により2つの異なる形態(分岐RVOまたは中央RVO)で生じます。