脳トレで記憶力アップするが知能に変化なし

知能が向上するといううたい文句により、脳トレーニング-ゲームは非常に人気にあります。しかし、得られる恩恵はIQではなく記憶力に限定されている可能性が、新しい研究により明らかになりました。

多くの人が自分の頭脳を高めることに興味をもっているので、それを利用するマーケティング部はますます増えています。しかし、知能を向上させるという宣伝文句は、あまり信用しないほうがいいでしょう。

Georgia Institute of Technology の心理学研究者Randall Engle は次のように述べています。

「知能向上を約束した脳トレの広告を見ない日はありません。これらは学校で成績の良くない子供の親御さんにとっては非常に魅力的だと思います」

Engle教授は脳トレ効果の根拠が、作業記憶能力(working memory capacity )と総合的な流動性知能( fluid intelligence)間の強力な相関関係を示すエビデンスにあると考えています。

作業記憶能力(または短期記憶)は、とくに気を散らすものの存在下で、情報を心にとどめたり、すぐに思い出せるようにしておく能力のことです。流動性知能は、つながりの推測や論理的思考、問題解決を行うための能力です。

作業記憶能力と流動性知能の関連性は、作業記憶能力の向上が流動性知能の向上につながるということを示唆しているように見えます。しかし、Engle教授が言うには「これにより、作業記憶能力が流動性知能の基盤であるという誤った考えが生まれている」とのこと。