3Dプリントの医療機器がFDAを揺さぶる

Kaiba Gionfriddoが3歳の時、3Dプリント装置が彼の命を救いました。
Kaivaは珍しい病気である気管気管支軟化症 (Tracheobronchomalacia)を抱えながら生まれたため、気管が弱く、虚脱して呼吸困難を呈することがありました。ミシガン大学の研究者が、赤ちゃんの気管のまわりに埋め込んで空気の流れを助ける3D-printed tracheal splintのFDA承認を求めました。
各患者向けに高度にカスタマイズされた医療機器など、あらゆる形状の対象物を生み出す技術、3Dプリント技術のおかげで、kaivaさんのようなケースがますます一般化しています。この動きを維持し続けるためにFDAは現在、3Dプリンターで作製された医療機器をどのように評価すればよいかを模索しています。
3Dプリントされたインプラントで頭蓋骨の75%を置換したという事例もあります。脊椎固定(spinal fusion)装置や股関節臼蓋(hip cup;股関節インプラントの一部)などの3Dプリント装置もFDAが認可しています。
FDAは今のところ、3Dプリント装置と従来の医療機器を同等に扱っています。今後、厳密な区別が必要になってくるでしょう。新しい機器のFDA承認を得るためには、新しい機器が既存製品と同等のものであることを製作者が証明するか、あるいは市販前承認(premarket approval)を獲得するためのプロセスを得なければなりません。あたり前のことですが製品化する場合には、医療機器会社に限らず誰でも承認申請を提出しなければなりません。
3Dプリント製品は今までの医療機器とは異なる方法で製造されることから、さまざまなテストを受ける必要があります。2つのFDA研究施設では、今後の医療機器の製造方法に対する3Dプリント技術の影響を探っています。
FDAのFunctional Performance and Device Use Laboratoryは、医療製品デザインの微調整が多様な患者集団における製品の安全性と性能にどのように影響するのかを判断するため、コンピュータ-モデリング方法を使用しています。この微調整の影響を理解することによって、各患者またはグループ用にカスタマイズされた機器をより正確に評価できるようになります。
3Dプリント技術はiPS細胞に続いて21世紀を特徴付けるテクノロジーになることでしょう。