2015-04-17から1日間の記事一覧

「薬害根絶の碑」建立に対する厚生省の抵抗

厚生省がある碑のことでゴネている。死者の数が四七八を超えた薬害エイズに対する反省から、薬害を繰り返さないとの誓いを碑にして後世に残寸との合意ができたのが九七年八月だった。ところが碑建立の詰めの作業が患者・遺族らと厚生官僚間で始まったとたん…

薬価差を必死に守る厚生省と製薬会社

厚生省の「薬価差問題プロジェクトチーム」が一九九六年六月末に中間報告を出しか。四月に菅直人厚生大臣が薬価差を解消することを目標に設置したのが同プロジェクトチームだ。中間報告は「当面は現行薬価基準を維持する」との結論を出しか。 中間報告という…

菅大臣の目を盗み文書を書き換えた官僚

九六年六月二五日の『毎日新聞』の小さな記事を読んで驚いた。薬害エイズ禍を教訓として薬害再発を防止するために、厚生省プロジェクトチームが菅直人大臣に提示した薬事行政改革案が、内容不十分として突き返され再検討されていると報じられていた。 大臣に…

だれのための「副作用被害救済基金」か

医科歯科大学助教授の片平洌彦氏の著書『構造薬害』(農文協)を読むと、なるほど日本の薬害の数々は、構造的要因によって発生したことがよくわかる。 構造的要因の最たるものは、「情報隠し」が厚生省と製薬企業の双方にあることであり、そのような実態が事…

安部英・元帝京大副学長の責任逃れ答弁

一九九六年四月一七日、参議院の厚生委員会に元帝京大学副学長で元エイズ研究班班長の安部英氏が参考人として呼ばれた。川会による薬害エイズの真実究明作業の第一歩となるはずの参考人招致である。安部氏は先陣を切って質間した委員長への答えを出す前に、…

覆された国内血液による治療薬製造計画

厚生省は本当に懲りないお役所だ。薬害エイズはなぜ生じたか、その原囚を解明する調査の目的を裏切り、厚生省がさらに多くの膨大な資料を隠していたことが、一九九六年四月二日に公表された。薬務局長の荒賀泰大氏は、新たに公表したこの資料は(エイズ研究…

薬害エイズ調査にみる厚生省の厚顔無恥

「知らない」(飯谷史典・生物製剤課血液係長) 「記憶がない」(中川久雄・生物製剤課課長補佐) 「記憶がない」(平林俊彦・生物製剤課課長補佐) 「不明」(志多良介・生物製剤課課長補佐) 右の四氏はいずれも厚生省の役人である。肩書きは一九八三年当…

情報を改ざんする厚生省の卑劣

薬害エイズはなぜ発牛したのかを明らかにするため菅厚生大臣の強い決意でエイズ研究班のメンバーをけじめとする七二人に、当時の事情を問い合わせたアンケート調査が行なわれた。その結果が、一九九六年二月二八日に開示された。厚生省が長年の事実隠しとも…

薬害エイズ禍拡大のからくり

九六年二月二一日、菅厚生大臣が設置した調査委員会によって一九八三年当時、エイズ研究班でどんな議論が行なわれていたかに関する資料が公表された。 これは六年間にわたる東京HIV訴訟で。原告側か提出を求めたにもかかわらず、繰り返し存在が確認できな…

揺れるHIV訴訟の和解交渉

薬害エイズの責任を国と製薬企業に問うHIV訴訟の和解交渉が今、揺れている。国は謝罪を拒否し、被告製薬企業五社は金銭的負担を拒否し、場合によっては和解協議から離脱するとの申し入れを裁判所に行なっていることが毎日新聞のスクープで判明した。 裁判…

刑事告発された郡司氏背後の闇

九六年一月二五日、和解交渉が難航している薬害エイズ裁判でついに厚生省の当時の担当課長郡司篤晃氏が刑事告発された。 告発事実は、東京HIV訴訟の法廷における偽証である。 八三年、郡司氏は厚生省の薬務局生物製剤課長として、日本にすでにエイズウイ…

厚生省の新たな犯罪

一一月二八日、厚生省は非加熱濃縮製剤を血友病患者以外に投与してHIVに感染させる、いわゆる第四ルートの感染で、少なくとも13人が感染し、うち六人が死亡または発症していたことを発表した。 本誌九五年号で報じた五〇代の男性も残念ながらこの死者だ…

HIV訴訟、魚住和解案の”心”

一九九五年一〇月六日、東京地裁魚住裁判長によるHIV訴訟の和解案が提示された。内容は画期的だ。 裁判全体に対する裁判所の考え方をまとめた「所見」は、まず血友病患者らが「医師の勧めに従い」、「ひたすら有効な薬剤と信じて」非加熱濃縮製剤を用い、…

薬害エイズ被害者の新たなる提訴

今週金曜日、九五年一〇月六日の六時に、東京地裁および大阪地裁でHIV訴訟に対する和解案が原告、被告双方に裁判長から提示されることになった。最大の焦点は、薬害エイズをひきおこしたことについて厚生省の行政責任をどこまで認めるかである。六年近い…

無責任行政でHIV第四の犠牲

非加熱濃縮製剤でHIVに感染させられた犠牲者は一八〇〇人の血友病患者だけではなかったことが、読売新聞などの調査で明らかになりつつある。 咋年(一九九四年)七月には、ビタミンK依存性凝固因子欠乏症の九歳の女の子が、八五年の誕生時に打たれた非加…

HIV訴訟での井出厚相の言明

提訴から五年五ヵ月、東京HIV訴訟が一九九五年三月二七日、ようやく結審した。東京地裁一〇四号法廷は、原告らによる最終意見陳述を聞こうとする人々であふれ、人員整理で開廷が三〇分も遅れるほどだった。 法廷には原告三人が意見陳述のために出廷し、初…